最近 TV の CM で♪アイフレイルは~目のサインだよ~
かえるが歌いながら病気の手前かも!?と気になる余韻を残してくれます
そもそもフレイルって何のことかご存じですか?
この記事では、フレイルについて解説します
もしかしたら自分や家族に当てはまるかもしれませんよ
フレイルって?
厚生労働省によると
「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされており、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html

年を重ねるにつれて心身が衰え、病気にかかりやすくなったり気力が低下したりする状態のことで、社会的なつながりも弱くなります
海外の老年医学の分野で使われている” Frailty(フレイルティ)” が語源となっています
影響は?



最近、よく風邪ひいちゃうのよ



普段なら数日で治る風邪が長引いたり、こじらせて肺炎になるなど重症化しやすいんですよ
高齢者がフレイルの状態になると、免疫力の低下から風邪をひきやすくなります
また、身体機能の低下から転びやすく骨折リスクも高まります
肺炎や骨折で入院すると、心が環境の変化に適応できずせん妄になったり
せん妄って?
せん妄とは、場所や時間を理解する能力(見当識)が低下し、一見起きているようでぼんやりとしている(覚醒レベルの異常)状態で、幻覚・妄想などにとらわれて興奮や錯乱(感情や考えが入り乱れ混乱すること)、活動性の低下といった情緒や気分の異常が突然引き起こされる精神機能の障害です。夕方や夜間にかけて発生することが多く、大半は数日以内で改善しますが、錯乱状態に陥ることによる転倒や、治療に必要な点滴の自己抜去などさまざまなトラブルを引き起こすこともあります。
せん妄の原因はさまざまで、多くは高齢者に発症しますが、手術や入院など通常とは異なる状況に置かれると若い方が発症するケースもあります。https://medicalnote.jp/diseases/%E3%81%9B%E3%82%93%E5%A6%84
評価基準
Friedらの評価基準が国際的によく用いられており、統一した基準はないそうです
改定日本語版CHS基準
体重減少 | 6か月で意図しない2kg以上の体重減少 |
筋力低下 | 握力 男性<28 ㎏ 女性<18㎏ |
疲労感 | ここ2週間でわけもなく疲れたような感じがする |
歩行速度 | 通常歩行速度<1.0 m/秒 |
身体活動 | ①軽い運動・体操をしていますか? ②定期的な運動・スポーツをしていますか? 上記の2ついずれも「週に一回もしていない」と回答 |
3項目以上に該当:フレイル 1~2項目に該当:プレフレイル 該当なし:健常
予防するには
栄養・運動・社会参加の3本柱です
興味ある方は厚生労働省の元気に食べてフレイル予防をご覧ください



フレイルは健康と要介護の中間の状態です
しっかり対策すれば元に戻れます!
アイフレイルって?
日本眼科啓発会議によると、加齢に伴う目の機能低下をアイフレイルと言います
人は外界からの情報の80%以上を目から取り入れており、快適に暮らすためには良好な視機能が欠かせません。しかし、40歳を過ぎると、体力が衰えるのと同じように目も衰えてきます。知らず知らずのうちに読書の機会が減っていたり、夜間の車の運転を避けたり…。歳のせいだから仕方ない、とあきらめていませんか。もしかしたら、重大な病気の初期症状かもしれません。https://www.eye-frail.jp/
どんな症状?
- はっきり見えていた視界がぼんやりします
- 日中なのに暗く見えます
- 鮮やかに見えていたものがかすんで見えます
- 広く見えていた視界が狭くなります
原因
アイフレイルには5つの原因疾患があります
老眼
加齢に伴い目の調筋力が低下すると、近くが見えにくくなります
老眼鏡で矯正すれば見えるようになります
白内障
ピントを合わせる役割をもつ水晶体が濁るとぼやける・かすむなどの症状が出てきます
他にも明るい場所で眩しく感じたり、ものがだぶって見えるなど
手術で濁ったレンズを取り除き、眼内レンズを移植することで視力が回復します
緑内障
視神経の障害で視野が欠けます
少しずつ視野障害が進行し、手術しても欠けた視野が戻ることはありません
早期発見!が大切で、点眼薬により進行を遅らせます
糖尿病網膜症
糖尿病を患っている方に起こる目の病気で、三大合併症の一つです
高血糖が網膜の毛細血管に出血やむくみを起こし、進行すると網膜剥離を起こすことも
最終的に失明することもあります
加齢黄斑変性
老化に伴い、網膜の中心に出血やむくみをきたし視力が低下します
放っておくと視力の回復が難しい病気でもあります
初期症状は、ものが歪んで見えたり視野の真ん中が見えにくくなります
両目で見るとその症状に気づきにくいので片目ずつチェックしましょう



40歳を過ぎたら、定期的に眼科で検診を受けて目の病気の早期発見をしましょう!
現状と感想
わたしの職場では、フレイルによる自宅生活限界で入院になる独居の高齢者が増えています
お仕事を定年退職し、社会と関わることが少なくなれば外出が億劫になったり
食生活も乱れがちになり、負のスパイラルに陥ってしまいます
1月に入院してきた90歳代 男性患者さんは、「仕事、仕事で趣味なんて持つ暇がなかった」
「気が付いたら女房に出ていかれ、子ども達とは何十年も音信不通」
なんだか切ないです・・・
その男性患者さんは最後まで施設への入所を拒否し、主治医やナースの説得にも応じず
結局のところ自宅へ帰っていきました
今後は短いサイクルで入退院を繰り返すんだろうなぁ
ただ、話を聞くことしか出来なかったのですが
” その人らしく生きる” を強く感じた患者さんでした

